函館市旧イギリス領事館の「バラ講座」
函館市イギリス領事館は、1859年に函館市に開設されました。
アメリカ、ロシアに次いで3番目に古い領事館でした。
現在の建物は、幾度かの大火のあとに、立て直されたもので、
1913年から1934年まで領事館として使用されていたものです。
現在は開港記念館として一般開放されています。
美しいバラのある庭園が、訪れる人の目をいつも楽しませてくれています。
その旧イギリス領事館では、毎年、函館日英協会さんの主催で、
市民向けの「バラ講座」が開催されています。
今年で25回目を迎えました。当社の高瀬社長は、12年前から、
このバラ講座の講師を務めています。
今年も先日、7月9、10日の2日間にわたって講座が開かれましたので、
その様子を皆さんにも紹介させていただきます。
2019年バラ育成講習会として
(当日用意されたテキスト)
25年前、最初にバラ講座の講師をされたのは、市役所を退職されて、
領事館のバラの世話をされていた方だそうです。
12年前から、当社がこちらの庭園の管理を任された関係で、
社長が講師をするようになりました。
講座(講習会)の概要
講座は、両日の13:30から15:30の予定で開催されました。
講義は1時間程度。
そのあと30分間は、領事館の庭園に出て、実際のバラを眺めながら、
質疑応答、講義の確認などをします。
それから、30分程度、領事館内のティールーム「ヴィクトリアンローズ」で
バラについての懇談、という流れになります。
講義は、バラの分類や好む環境などについての解説から始まり、
植付・消毒・剪定・施肥と進んでいきます。
一般的な書籍や図鑑は、どうしても本州、特に関東地域の気候に合わせた
解説になるので、ここでは「北海道」「函館」の気候や環境に根差した
説明をしていきます。
「今年は今のところ高温にならずに順調に育っている」とか、
「北海道の場合、肥料はいつ頃がいい」とかです。
バラは施肥と病害虫対策が肝心
実際にバラの大苗を持ち込んで、病気になった葉の状態や対処の方法を
説明していました。予防の大切さも。
バラにとって、最良な施肥のタイミングややり方についても。
その他、
・1年を通してのバラの育成管理のまとめ
・旧イギリス領事館の庭園に植えられている薔薇の品種と配置図
・バラにつきやすい害虫の種類と対処方法について
などの講義がありました。
庭園に出て、実際のバラで「剪定する枝葉」の説明を
樹木の剪定の中でも、バラの剪定は一般の方には難しいところがあります。
・交差する枝
・5枚葉の上
・シュートの種類と切り方
これらは口だけで説明してもなかなか。
実際にバラを見ながら、説明するのが一番わかりやすいんです。
このあとは、館内の「ヴィクトリアンローズ」で、
質疑応答をふくめた懇談となりました。
バラを好きな方たちが、バラを話題に会話にハナを咲かせることになります。
バラの管理について少しでも知識が深まると同時に、
参加された方皆さんが、心地よい時間を過ごしていただけたとすれば、
たいへん有難いことだと思います。