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エゾスカシユリは素朴な趣があり、育てやすいと評判です!

 

 

 

スカシユリの仲間の花びらは、上が広く、下がやや細くすぼまっていて、
各片の間にすき間ができます。それで「向こうが透けて見える」ため、スカシユリと名付けられました。

エゾスカシユリは、スカシユリの亜種とされていますが、正確には、スカシユリがエゾスカシユリとイワトユリの交配によって育成されたものとされています。
1600年代の日本でのことです。

「アジアティックハイブリッド系」園芸品種の原種であり、育て方が易しく、素朴な趣があるため人気の高い品種です。

ユリの栽培や交配の歴史は古く、江戸時代初期から盛んに行われてきました。
欧米では日本から輸入したユリを使い、100年以上前から様々な交配種が生みだされています。

 

そんなユリのなかでも丈夫で育てやすいのがスカシユリの仲間なのです。

エゾスカシユリは、スカシユリより茎の下部の乳頭状突起が少なく、花柄や蕾には白い綿毛が密生しています。
その名前から分かるように北海道に自生するユリです。
スカシユリは本州の中部から北部で、海岸や砂浜、低い山の崖などに生えています。

エゾスカシユリは、草丈は20~90cm程度で花色は主に橙色。花弁は6枚ほどで構成され、濃橙色の斑点が内側にあり、花は直径9~10㎝です。

私たちの住む函館は、エゾスカシユリとスカシユリが混在しています。
北海道でも温暖な気候の影響でしょう。

野原や丘で、素朴な橙色のユリを見つけたら、前述の違いを確かめてみてください。

 

 

エゾスカシユリの育て方

 

 

育てやすい環境

 

スカシユリは日光が大好きです。日当たりの良い場所を選んで管理しますが、地面が高温になりすぎると傷んでしまうので、風通しも大切です。

 

水やりと肥料について

 

エゾスカシユリの水やりは、地植えの場合、球根を植えた直後にたっぷり与えれば、よほど日照りが続かない限り必要ありません。

鉢植えは土が乾いたらこまめに与えてください。
特に夏場は乾燥させないように注意が必要です。
ただ、スカシユリは過湿に弱いので、土の表面がまだ湿っているときは水やりを控えてください。

エゾスカシユリの肥料は、地植えの場合は植え付け時に、緩効性の化成肥料を1㎡当たり100gほど混ぜて植えつけます。
鉢植えは、植え付け時に緩効性の化成肥料を施し、発芽後に追肥としてもう一度化成肥料を与えます。

 

発芽後・開花後の育て方

 

発芽後に注意してほしいのが「晩霜」です。
晩霜しそうな夜は、芽の上に新聞紙や重くないビニールシートをかけて保護してください。

開花後は花が終わったら、なるべく早く摘み取ることが大切です。
そうしないと株が種を作ろうとして栄養をまわしてしまうので、来年の花が咲きにくくなります。

 

エゾスカシユリの病気と害虫

 

エゾスカシユリは病気にかかりにくい植物ですが、注意したい病気が二つあります。

まず、カビが引き起こす「葉枯れ病」です。
この病気は梅雨時期に風通しの悪い場所で発生します。園芸用の殺菌剤で予防してください。

もう一つがユリ科植物の大敵である「モザイク病」です。
4月~10月に発生するウイルス性の病気です。花びらにまだら模様や濃淡があらわれてきます。

1度発病すると治らないので、被害にあった株は焼却処分しましょう。

 

エゾスカシユリにつきやすい害虫はアブラムシとネダニです。アブラムシは食害だけでなくモザイク病も媒介する害虫です。
オルトランを株元に撒いて予防し、それでもアブラムシがついてしまったらモスビラン液剤で駆除します。

ネダニは球根や茎に群生して食害する害虫です。
同時に腐敗病菌を伝播します。
園芸用のマラソン乳剤などで駆除してください。

 

 

植え方のポイント

 

 

エゾカシユリの植え方で一番重要なポイントは、植える深さです。
ユリの仲間は、球根の下と、上部から伸びる茎の途中から根が生えます。

この茎の途中から生える根が主力となる根なので、この根を充実させるため必ず深植えしてください。
この植え方をすることで、翌年の生長に違いがあらわれてきます。

 

植え付け時期

 

エゾスカシユリの植え付けの適期は、地温が発根に適した10~15℃になる10~11月です。地温が下がりすぎると、発根量が減り、翌年の株が小さくなってしまいます。

植えつける時期のタイミングを逃さないことが肝心です。

 

土質・用土について

 

エゾスカシユリの連作は避けましょう。3年に1回は掘り返して別の場所に植えてください。
鉢植えは毎年か、2年に1回は植え替えします。

エゾスカシユリは土質を選びませんが、腐植質が多いと根張りがよくなります。
赤土6腐葉土3川砂1を混ぜた土か、市販のユリ専用土で植え付けします。

 

地植えするとき

 

地植えの場合、球根を植える深さは、上根を発達させるため、球根の2倍の深さで間隔は球根の直径の約3倍で植えます。
これくらいの間隔があると2年くらいは植えっぱなしでも大丈夫です。

天候によっては、植え付けから1ヶ月くらいは乾燥しないよう気をつけてください。

 

鉢植えするとき

 

鉢植えの場合は、18~21cm鉢で3球とします。球根1個分以上の深さで植え、上根の張るスペースをつくります。
植えた後、表土に上根用元肥を施し、軽く土をかぶせます。

球根を横にして植えてしまうと発芽や草丈の生長が遅れてしまうので注意してください。
鉢植えの場合は特に乾燥に気をつけ、必要ならば冬でも水を与えてください。

 

 

エゾスカシユリの植え替え

 

 

 

エゾスカシユリの球根は、花や葉が枯れてしまう10月から11月頃に、茎を地際から切り落として掘り上げます。
通常の球根植物は掘りあげたあと乾燥させますが、ユリの仲間は乾燥を防ぐための表皮がありませんから、掘りあげたら早めに新しい土へ植え替える必要があります。

ただ、掘りあげた球根には球根腐敗病などの病気がついていることがあるので、必ず消毒します。
早めの植え付けと消毒、これがスカシユリの植え替えのポイントです。

 

球根の消毒方法

 

まず、球根をよく水で洗い、茎ごと上根を切り取ります。下根は切らずにそのままです。次に、ベンレートやオーソサイドなどの消毒液を規定の薄さに希釈して、そこに球根を30分間浸けます。とり出したら、風通しの良い日陰でしばらく乾かして、すぐに植えつけます。

 

エゾスカシユリの増やし方

 

エゾスカシユリをはじめ、ユリの仲間の増やし方で一般的なものは、球根の分球です。
ユリの球根には皮がありません。

そこだけ注意すれば比較的簡単な増やし方です。

分球繁殖は、ユリの植え替え時期に行うと球根を乾燥させずにすみます。
何かの理由で植え替えと同時にできない場合は以下の方法を参考にしてください。

 

球根の掘りあげ方の手順

 

  • 葉が黄色く枯れた状態のスカシユリの球根を、傷めないように掘り起こします。
  • 球根の上部で茎を切り取り、球根についた土を落とします。下根はそのままです。
  • 分けられるだけ肥えた球根を、手でとりわけ分球します。ハサミは使いません。

エゾスカシユリには乾燥から身を守る皮がないので、乾燥させないように注意します。

空気穴を開けたポリ袋に、軽く湿らせたバーミキュライトやピートモスなどを入れ、それに球根を埋めるような感じで保存します。

同じような形で鉢に埋めておくのもよいでしょう。
いずれにしろ、球根が乾ききらないよう適期内に植えることが必須です。

 

 

エゾスカシユリの育て方のまとめ

 

 

エゾスカシユリの特徴は、ユリの仲間のなかでも「日当たり」が好きな品種ですが、過湿が苦手なので「風通し」も重要です。
球根には下根の他に上部の茎の途中からでる根もあり、他の球根植物より「深植え」することが大切になります。

そして、「球根に乾燥から身を守るための皮がない」のも大きな特徴です。球根の取り扱いにはより丁寧さが求められます。
これらの注意点を確認しながら、エゾスカシユリを育ててみてください。

先人たちがなぜエゾスカシユリの魅力に引き込まれたのか、確かめることができるはずです。

 

 

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