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コンクリート舗装の駐車場をつくるときのポイントとメリットデメリット

 

 

長年、取引のあるお客様から庭のリフォームについて問い合わせをいただくことがあります。

「家族の車が増えたから庭を小さくして駐車場を大きくしたい」
「家を子どもに譲るので庭をやめて駐車場にしたい」
「庭の一部を駐車スペースにしたいがコンクリートとアスファルトのどちらがいいか」

庭は1度つくると手入れが必須なので、定期的に取引が発生し、お付き合いも長くなります。気心が知れて気軽に相談できるので、外構全般について聞かれるようになります。そのなかでも多いのが駐車場に関することです。

この記事では、コンクリート舗装の駐車場について説明していきます。

 

 

コンクリートとは

 

 

コンクリート舗装は、耐久性が高く摩耗や変形が少ないだけでなく、デザイン性も高いことから個人の住宅で広く使用されるようになっています。

ところで、コンクリートって何でしょうか?

粘土が混ざった石灰石を焼いて粉末にしたものがセメントです。これに水を混ぜて扱いやすくしたものがセメントペーストになります。セメントペーストに細骨材(砂など)を混入するとモルタル、モルタルに粗骨材(砂利など)を加えるとコンクリートになるのです。

 

 

路盤とは

 

 

路盤とは、コンクリートやアスファルトなどの表層を支える下地のことです。駐車場の舗装は車の荷重を長期間受けますから、コンクリートやアスファルトだけでは、すぐにでこぼこになってしまいます。路盤をしっかりつくることが重要です。

路盤は、路床(土)と呼ばれる原地盤の上に施工されます。この路床が軟弱な場合には改良が必要です。

路床の上に、砕石やクラッシャーランなどの粒状材料を敷き均して、転圧機で締め固めると路盤になります。一般住宅の駐車では、仕上がりの厚さで15㎝くらいが目安です。表層としてのコンクリートの厚みは10㎝程度が一般的でしょう。

 

 

施工手順

 

 

 

コンクリート舗装の一般的な施工手順は以下のようになります。

  • 現地測量|道路側に水を流すための水勾配が必要なため
  • 原地盤スキ取り|路盤と表層分の土砂のスキ取り(重機使用)
  • 残土の排出と処分
  • 路盤材料の搬入と敷均し及び転圧
  • 伸縮目地を設ける|表層の体積変化によるひび割れ防止
  • ワイヤーメッシュ設置|コンクリートに強度をつける
  • 周囲の養生|コンクリート打設の前に
  • コンクリート打設
  • コンクリート仕上げ|3回以上の均し
  • コンクリート養生|夏冬関係なく中3日以上

水勾配や伸縮目地、仕上げの均し回数は、コンクリート舗装の品質や耐久性に大きく関わってきます。

 

 

コンクリート舗装の注意点

 

 

コンクリート舗装の駐車場を設置するときの注意点を、アスファルト舗装と比較しながら説明していきます。

 

排水性

 

排水がうまくいかないと、舗装上に水たまりや水みちができてしまいます。排水溝が頻繁にあふれるなどの不具合もでてきます。

 

耐久性

 

コンクリートは耐久性が高く耐流動性もあるのですが、材質に空隙が少ないので透水性はよくありません。水勾配がうまく取れないような場所では、「おこし」のような見た目の透水性コンクリートを利用しましょう。

 

目地

 

コンクリートは気温の変化により膨張や伸縮があり体積が変化します。この体積の変化を吸収するために設けるのが伸縮目地です。目地には、化粧砂利や人工芝、スポンジ素材の専用資材などが使われます。

 

ワイヤーメッシュ

 

コンクリート舗装に欠かせないのがワイヤーメッシュなどの補強材です。コンクリートは型枠に流し込んで固めただけでは、すぐにひび割れを起こします。圧縮には強いのですが、せん断力(断面に平行にかかる力)には弱いという性質があるからです。

 

以上の注意点を押さえておけば、コンクリート舗装で大きな失敗をすることはまずないでしょう。

 

 

コンクリート舗装のメリットデメリット

 

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コンクリート舗装のメリットをまとめてみました。

  • 耐久性に優れ経年劣化がほとんどない
  • 白や薄灰色が多く明るいイメージがある
  • 表面を加工してデザイン性を高められる
  • 真夏でも熱がこもりにくい

次にデメリットです。

  • 目地やワイヤーメッシュが必要で初期費用が高くつく
  • アスファルト舗装に比べると工期や硬化に時間がかかる

 

コンクリート舗装まとめ

 

 

前述のとおり、コンクリート舗装の初期費用は、アスファルト舗装に比べると割高になります。

しかし、一度施工してしまうと経年劣化によるメンテナンスがほとんど必要ないので、長期的にはアスファルト舗装よりもお得になるのです。

また、アスファルト舗装には専用の重機や機材が必要です。これは施工面積の大小に関係なく必要になります。大規模な舗装ではコスパが高くなりますが、一般住宅の駐車場規模では、さほど金額に差はでないのです。

一般住宅の駐車場であれば、耐久性がありデザイン性も高いコンクリート舗装をおすすめします。

 

 

 

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