ガーデニング

庭のない住宅で鉢植果樹を育てて旬を味わう方法

 

果樹栽培はとても贅沢な趣味です。
おいしく果実を食せるだけでなく、若葉の芽吹き、可憐な花、生い茂る葉の紅葉を
楽しめるからです。

プロの農家さんは大規模な果樹園や何棟も並んだビニールハウスで果樹を育てます。
果実をもいでから消費者が手に取るまでの期間を考えながら、市場に安定的に
供給する必要がありますが、家庭で育てる果樹はその必要はありません。
味わいや食感など、ホントの旬を追求できます。

鉢植えで「見てかわいい、食べておいしい」果樹栽培を始めてみませんか。

 

鉢植え果樹は「植付け・植替え」のよしあしで決まる

 

 

鉢植え果樹を失敗しないで育てるための、ここだけは押さえておいてほしいという
ポイントを見ていきますね。

 

・苗の選び方

ポット苗には2種類あります。一定期間栽培・生長させたものと掘り上げたばかり
のものです。
2~3年生長させたものがおススメです。
慣れないうちは信頼できるお店で、ポピュラーな品種を選びましょう。

 

・鉢・用土

鉢は素材を選びませんが、置き場所の移動があるようでしたら、軽量なプラ鉢や樹脂製を
選んでください。
苗木の根鉢より一回り大きいものを。
用土は市販の培養土がおススメです。
雑草のタネが入っていないので。

 

・植付けと植替え

鉢植え果樹の順調な生長にとって、一番のポイントになるのが植付・植替えです。

購入した根は、ポットをはずし、根鉢(根と土がまとまっている部分)をなるべく
崩さないように植えます。
特に一番上の根が大事です。

まず、鉢底に水はけを良くするための軽石や発泡スチロールを細かくしたものを
底が見えなくなる程度に敷き込みます。
数センチ培養土を入れ、その上に苗の根鉢を置き、鉢と根鉢の間に培養土を足して
いきます。

根と培養土の間にすき間ができないことが大切ですが、ぎゅうぎゅう押し込んでも
いけません。
やさしくすき間を埋めてください。
出来上がったら、水をたっぷり与えてください。

 

植え付けてから、2年もたつと、鉢の中は根でいっぱいになり根が伸びるスペースが
なくなります。そうすると、いくら水や肥料をやっても十分に吸収されません。
スペースを作ってやるためにひと回り大きな鉢に植替えてあげてください。
この時は必ず、ノコギリなどで根鉢の底を切り取りましょう。
手で乱すだけでもOKです。

 

 

「この果樹苗なら失敗しない」厳選5種!

 

 

これから鉢植え果樹を育てていく方のために、寒さにも暑さにも強く育てやすい、
人気のある果樹を5つ選びました。ぜひ、参考にしてください。

 

・ブドウ

寒さ暑さはもちろん、乾燥にも強いのがブドウの特徴。
花もたくさんつけてくれますよ。何十房とか収穫したい場合は棚が必要ですが、
10房程度までなら大型プランターとトレリスで十分育てられます。
青果店でお目にかかれないような品種にチャレンジすれば、楽しさも倍増です。
おススメの品種
「マスカット・ベリーA」「ルビーオクヤマ」「翠峰」「多摩ゆたか」
必要な本数 : 1本で実がなる

 

・キウイフルーツ

キウイって元々、中国原産の果物だって知ってました?
それがニュージーランドに持ち帰られて、改良・選抜されて世界中に広まったらしいです。
キウイフルーツは、高温多湿の気候にとても適応しているので、日本の気候風土にも
ピッタリなんです。
おススメの品種
「ヘイワード」「香緑」「マツア」
必要な本数 : 2品種

 

・ナシ

日本で栽培されているナシの95%以上が二ホンナシです。
ナシといえば棚仕立でしか育たないというイメージがありますが、そんなことはありません。
盆栽鉢で育てることができるくらいなので。
ぜひ、ニホンナシとセイヨウナシを同時に育ててみてください!
おススメの品種
二ホンナシ 「なつしずく」「あきあかり」「幸水」「豊水」
セイヨウナシ 「ラフランス」「バスクサラン」
必要な本数 : 2品種

 

・カキ

カキは日本人にもっとも身近な果物のひとつです。
カキの木というと大木のイメージがあるので、なかなか鉢植えは敬遠されがちですが、
すこし大きめの鉢なら、20個から30個くらいなら栽培できます。
東北以北では甘ガキでも渋くなることがあるので「脱渋」してくださいね。
おススメの品種
甘ガキ 「早秋」「大秋」「禅寺丸」「大西条」「太天」
必要な本数 : 2品種

 

・ザクロ

日本では江戸時代に海外から多くの品種が導入されていたのですが、
花を楽しむためのものがほとんどで、果物としては広まってきませんでした。
最近は栄養価の高い美容食品として、再評価されています。
開花期が雨の多い時期と重なるので、軒先などに入れてあげてください。
おススメの品種
「ワンダフル」「モラ-・デ・バレンシア」「ネグラル」「水晶ザクロ」
必要な本数 : 1本で実がなる

 

 

まとめ

 

 

鉢植えなら、庭のない住宅でもベランダや玄関先で果樹を育てられます。
芽吹きや開花に紅葉、そして実りという、植物のすべてを身近に観て感じることができるのです。

植付けや植替えだけは、ちょっと気を使いますが、後はホント楽しみながらできます。
特に今回紹介した果樹は丈夫で実がなりやすいので。

果樹は違う品種をそれぞれ別の鉢で2品種そろえるものが結構あります。
「受粉」という大切なプロセスが必要なので。
1本で実がなるタイプだけを探してみるのもいいかもしれません。

 

 

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