ガーデニング

ガーデニングにおススメ!身近な樹木ベストテンを選んでみました!

ここから選べば間違いなし!丈夫でキレイなおススメ樹木ベストテン!

樹木について知っていてほしい3つのこと

 

 

樹木の手入れや世話をするときに覚えておくとためになることを
3つ挙げておきたいと思います。

 

私自身、造園関係で働くようになって初めて知って、参考になったことです。

 

形成層が一番大事


大きな樹木の幹には、生きている部分と死んでいる部分があります。

生きているのは、形成層と師部、放射組織などです。
※放射組織とは、木の中心から外へ向かって放射状に伸びている筋のようなものです。

 

形成層はとても薄い層です。
形成層は長く細胞分裂の能力を保持していて、師部および木部の組織を形成します。
形成層の内側は新しい年輪(木部)となり、外側は師部となります。
中央の色の変わった部分は、心材といい、すでに死んでしまった部分です。

 

たまに公園などで、内側に空洞のある樹木を見たことないですか。
なかなか枯れないのは形成層があるからです。
逆に樹皮や外側の年輪はとても大事で、特に、形成層をぐるり一周失うと、
その木は間違いなく枯れます。

 

根っこと同じくらい大切な葉っぱ

一般に木は根で栄養を吸収しているイメージが強いのですが、
それだけでは生きていけません。

 

根からは主に体の材料になるミネラル(無機栄養)を水と一緒に吸い上げ、
葉っぱは光合成をして、栄養(糖の一種)を根や幹や枝にため込みます。
この二つのバランスのなかで、樹木は生きています。

 

枝は独立採算制

1本の木の枝をよく見ると、元気な枝と元気のない枝があります。
「元気な枝から、元気のない枝に栄養を送ればいいのに」と思います。

 

枝にはそれができません。
基本的に、枝は独立採算制で、その枝先についている葉っぱからの栄養でしか
生きられないんです。元気のいい枝で余った栄養は幹や根に運ばれます。

 

日当たりが悪く、葉が少ない枝は自然に枯れていきます。
日当たりの良い元気な枝は、葉っぱをいっぱいつけ、花や実もたくさんなります。
樹木が、その環境で生き残っていくためには、そのほうが効率的だからです。

 

 

丈夫で、手に入りやすい、おススメ樹木ベストテン

 

ガーデニングを考えたとき、どんな木を植えようか。いろいろ考えると思います。
背の高い木低い木、常緑か落葉か。花や実はつけるのか。
一番大事なのは好き嫌いですが。

 

今、住んでいる地域の気候に合うのか、というのもあると思います。
これから紹介する木は、丈夫で気候にも合い、わりと手に入りやすい木です。
実際に、お客様の庭に植えたことがある木ばかりです。

 

ぜひ、参考にしてください。

 

ツツジ

 

ツツジは日なたのほうが花つきが良いといわれますが、
ほどよい陰で土の乾燥をおさえたほうが木の生育にはいいようです。

 

なかなか庭の主役にはなれず、ぞんざいに扱われることの多いツツジですが、
意外と長生きで、800年から1000年生きるといわれています。
ただ、巨木になることはありません。

 

ツツジがやせた土でも長生きできるのは、エリコイド菌根をつくり
助けてもらっているからです。酸性土や重金属の毒に耐えられるのも、
この菌根菌が関与しています。

 

イチイ

 

イチイは北海道から九州まで分布しています。
寒い気候があっていて、北海道では特に多く見られ、生垣などにも
利用されています。

 

雌雄異株で、雌株に赤い実(種子)がなります。赤い部分(仮種皮)は甘く
食べられますが、中の黒い種はアルカロイドのタキシンを含み有毒です。
量により、痙攣や呼吸困難を起こし死に至ることもあります。
このタキシン、赤い部分以外、葉・幹・根などすべてに含まれているようです。

 

鳥やサルが種を丸ごと食べて平気なのは、種の皮は丈夫で消化されず、
糞でそのまま体外に排出されるからです。イチイは甘い種皮で動物たちに
食べさせ、種子を遠くに運ばせます。ただ、種を噛み砕くのは絶対に
許したくないようです。

 

サクラ

 

サクラにはたくさんの品種がありますが、ここではソメイヨシノを紹介します。
ソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラが親です。
葉の柄や芽に毛があるのは、毛深いエドヒガンの血を受け継いでいるからです。

 

サクラの花の蜜は甘く、メジロやスズメ、ヒヨドリなどがやってきます。
花が終わっても葉っぱの付け根のいぼ(花外蜜腺)から蜜を出します。
葉の蜜でアリを呼び、害虫を寄せ付けないためだといわれています。

 

近年のソメイヨシノ人気で、野生のサクラと交雑してしまう遺伝子移入が
問題となっているようです。ソメイヨシノはクローンなので遺伝子はどの木も
同じです。そのクローンが大量に植えられ、野生のサクラの遺伝子と混ざり合う
現象が起きているのです。

 

本来、サクラは集団をつくらない孤独な木です。
系統の違うサクラを近隣に植えるのはおススメしたくないですね。

 

モミジ/カエデ

 

モミジの仲間は以前「カエデ科」でしたが、今は「ムクロジ科」と
呼ぶことになっています。

 

「すべての木のなかで、どの木が一番好きか」ときかれたら、
私なら迷わず「イロハモミジ」と答えると思います。

 

自然な樹形のボリューム感、新緑から紅葉へと移り変わる様子。
特徴的で品のある葉の形。さらに、その花の可憐さです。
カエデの花はみんな小さいのですが。
イロハモミジはあの葉との絶妙なバランスを感じます。

 

 

ただ、あくまで個人的な意見ですので。

 

カイズカイブキ

 

緑の枝が巻き上がるように伸びる、カイズカイブキ。
函館では生垣として一番植えられている木だと思います。
ビャクシンの栽培品種です。

 

北海道では中部から南に植えられています。
関東以西ではかなり大きくなり、15mくらいのものもあるようですが、
こちらではお目にかかったことはありません。

 

家の境界で枝を半分切られ、骸骨のように中が見えている状況をたまに見かけますが、
あそこまでいくと、枝葉が元のように出ることはまずありません。
毎年すこしづつボリュームを落としていくのがベストです。

 

ツバキ

 

ツバキは本州から沖縄まで分布し、花の美しさで人気があります。
種からは精油が取れて、高級食用油と重宝されたり、ヘアケア用品に配合されています。

 

ツバキの花色といえば「赤」ですが、これは鳥に受粉してもらうためです。
お礼の蜜は多く、花から垂れ落ちるほどです。

 

あと、ツバキといえば、葉を食べるチャドクガです。毛虫に触れるとかぶれてしまいます。
チャドクガの毛虫は薬を撒くよりも、まだ小さく、1ヵ所に集まっている時に、
付いている葉っぱごと袋に入れて処分するのが一番簡単です。

 

「とにかく近づくのもイヤ!」という方にはおススメできませんが。
チャドクガは元気のないツバキによってきます。あまり剪定されていない、
光がほどよく得られる元気な木では、ほとんど見ません。

 

ヤマボウシ

 

ヤマボウシは春に白い花を咲かせますが、白い花びらに見えるのは「苞」と
呼ばれるつぼみを包んでいた葉っぱです。花は中心にある小さい塊で、
この花全体を包むので「総苞」と呼ばれています。

 

実は一口大でクレーターのような模様があり、どろっと甘く食べられます。
これは、サルなどに種子散布をしてもらう過程で、サルの好む実に変化した
ものとされています。

 

ヤマボウシの材は緻密で折れにくく、黄色っぽくツヤがあります。
ノミやカンナなどの道具や印鑑の材料などになっているようです。

 

アジサイ

 

アジサイはガクアジサイが元となった日本原産の園芸品植物です。
外国で品種改良されてものはセイヨウアジサイと呼ばれています。

 

ガクアジサイは中央に小さな花が集まり、周りにあるのは装飾花です。
花弁に見えるのはガクで、虫を呼ぶ飾りです。

 

アジサイは水を欲しがる木です。梅雨時にピンクや紫、青色に咲きます。
土が酸性かアルカリ性で色が変わります。土のアルミニウムの作用により、
酸性なら青、アルカリ性ならピンクになります。日本は酸性の土が多いので、
青い花が多いはずですが、街ではコンクリートの影響で、ピンクの花も見られます。

 

あまり知られていませんが、アジサイは有毒です。
料理の飾りの葉を食べた中毒例があります。絶対に食べないでください。

 

ライラック

 

ライラックは、リラ、ムラサキハシドイと呼ばれ、ヨーロッパ原産の木です。
冷涼な気候を好み、北海道では華やかな春を彩る木として定着しています。
白や紫の花が美しく、品種もたくさんあります。

 

ライラックは同じモクセイ科のイボタノキを台木にして接木栽培されます。
イボタノキは日本在来の木で、北海道から九州まで分布しています。
上に接がれたライラックが枯れて、台木からイボタノキの枝が伸びて
いつのまにかイボタノキになっていることがあります。

 

植物はいつでも生存競争の中で生きている、という実証です。

 

ヒメシャラ

 

ヒメシャラは、ナツツバキと似ていますが、ヒメと呼ばれるだけあって
花も葉もナツツバキより小さめです。

 

ヒメシャラは日本原産で、関東から四国の太平洋側、九州の山林に自生しています。
荒れた土地ににも耐え、大木になります。園芸店で苗木を見ると、清楚で華奢な
雰囲気ですが。

 

ヒメシャラは、風にそよぐ軽やかな葉っぱの木というイメージがありますが、
実は、地中にがっつり根を張りたい木なのかもしれません。
シンボルツリーとして、庭の広いところで植えてみると、植えた人のセンスを感じる
「おしゃれな庭」になるかもしれません。

 

 

今回は、ベストテンとして10種類の樹木を紹介しました。
別の木も、順次、紹介していきたいと思っています。

 

 

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