メンテナンス

育てていくための庭木の剪定①

 

眺めるだけでなく、育てていく「ナチュラルガーデン」

 

2,30年前まで庭といえば、伝統的な和風の庭のことでした。マツやイチイの仕立物に
石灯籠や筧(かけい)を配して構成されていました。年に何回か庭師が来て手入れをする、
それがお客様のステータスでもあったんです。

 

現在はリゾートのテイストを味わう、ナチュラルガーデンが主流となっています。
お客様自身がガーデンに積極的にかかわって、花木や宿根草を育て、野菜や果樹の実を
収穫できる庭です。

 

そういう庭は、専門家のアドバイスや技術が必要になるときもありますが、主体はあくまで
お客様ということになります。そして手間をかければかけるほど、庭に対する愛着は
深まっていきます。

 

 

 

そもそも樹木って何?庭木って何?

 

ナチュラルガーデンをはじめ、「庭」には、いろんなスタイルがあります。
常緑樹や落葉樹、ツツジ類がうまく配置されていて、見ているだけで
和める庭。バラや果樹がメインの庭。人が集まって楽しめるリビングガーデン。

 

そのなかにあって必ずといっていいほど登場するのが、いわゆる「庭木」です。
庭にある木は全部「庭木」でしょ?そうでしょうか。
ここでは「庭木」について見ていきます。

 

自然の樹木は、日照条件や気候、土壌といった時には過酷な環境に適応して
生育しています。同じ種同士の生存競争や、他の生き物たちとの緊張関係の中で、
自然淘汰され、姿を変えながら生きています。

 

一方庭木は、庭という小さな世界で、環境は庭主(オーナー)に委ねられています。
長年にわたって人によって育成、品種改良されたもの中から、オーナーの好みで
選別された植物だけが植えられています。

 

なので、もともと庭木は人の管理が必要な植物なんです。
剪定して姿を整えてあげて、冬になったら雪囲いが必要になったり、
時には消毒や施肥もして。

 

そういう管理のなかでも、一番大事なのが剪定ではないでしょうか。

 

 

 

剪定の目的って何ですか?

 

例えば、先代さんから引き継いだ庭があったとします。
時季になると、ほぼ自動的にいつもの植木屋さんが手入れに来ます。

 

その植木屋さんに「何のために剪定してるんですか」とは、今さら聞けないと思います。

 

剪定というのは、以下のような理由があってやっています。

 

枝葉をすかして日照と通風を確保し、病害虫を予防する

大きくなりすぎないように、主幹を止めて生長を抑制する

不要な枝を抜いて樹形を整える

庭に合った好みの樹形をつくる

古い枝を落とし、新しい枝を残して木を若返らせる

花木は花つき、果樹は実つきをよくする

 

剪定をするにあたって大事なのが、樹種ごとの性質を知ることです。
性質を分かっておくと、なぜこの木は調子が悪いのだろう、どうすれば良くなる
のだろうと悩んだときに、解決のヒントになります。

 

性質を知ることが、失敗しない剪定のコツにもなります。

 

おおまかな分類ですが、木の性質の特徴をまとめてみました。

 

落葉高木類

栄養分をつくる葉を増やさなければ、木は太らないし伸びにくい

落葉低木類

幹の数を増やさなければ、樹冠(葉張)も樹高も維持できる

常緑樹

常緑の広葉樹は落葉樹より寒さに弱い樹種が多い。常緑の針葉樹は、広葉樹よりも寒さに強い

つる性植物

生育旺盛なものが多いので、多めの剪定で伸びをコントロールする

 

以上のことを頭に入れておくだけで、庭の管理状況見るときに役立つはずです。

 

 

 

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