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おうち時間に盆栽をはじめよう!②盆栽の仕立て方と手入れの基本

 

 

盆栽の魅力は、雄大な自然の風景を切り取り、目の前の盆栽に大自然のダイナミックさを感じ取ることにあります。

同時に、「生きた造形品」である盆栽の個性や性質に気配りしながら、仕立てや手入れをして育てていく過程も盆栽の魅力の一つであるといえるでしょう。

盆栽の仕立て方や手入れはコツさえつかめば難しいことはありません。

ここでは、盆栽の仕立て方と手入れの基本について解説します。

 

盆栽の仕立て方の基本

 

 

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盆栽を仕立てるときに基本となるのは、針金かけと、神と舎利を整えることです。それぞれ見ていきましょう。

 

針金かけ

 

針金かけとは、幹や枝に針金を巻きつけて、時間をかけて思うような形に仕立てることをいいます。慣れるまでは、硬い銅線よりも軟質のアルミ線を使いましょう。ポイントは針金を交わらせないことです。

太い枝を曲げたいときは太いほうから細いほうへ巻いていきます。枝に針金をかけるときは必ず幹の上下に2巻きして固定するのを忘れないでください。また、枝を下に曲げるには枝の上から巻き、上に曲げる場合は下から巻きます。

針金かけは1~2年を目安に外します。

 

神と舎利

 

年数が経った樹木の一部が腐って木質が白骨化している樹木を見ることがあります。この白骨化したものが幹部分にできると舎利、枝にできると神といいます。

神や舎利はおもに松柏類に見られ、老木の趣を醸し出し、盆栽の見どころとされている木姿です。

盆栽ではこれを意図的につくります。樹皮を剥いだり枝先を裂いたりしてつくり、石灰硫黄合剤で保護します。枯れた幹や枝を利用するのが一般的です。

 

 

盆栽の剪定方法の基本

 

 

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樹木の仕立て方でも重要なのが剪定です。樹木の木姿を整え、風通しを良くします。また、樹木の将来の木姿を想定しながら剪定することが大切です。

雑木は芽摘みや葉刈り、切り返しを、松類は芽かきや芽切り、葉すぐりを中心に行います。両方に共通なのが忌み枝の切除です。

 

忌み枝

 

忌み枝とは、樹形のバランスを崩し、必要な枝の陽当たりや風通しを悪くしている枝のことをいいます。剪定は、この忌み枝を見つけることから始まります。

以下に忌み枝の種類についてまとめてみました。

 

車枝|1ヶ所から何本も放射状に出た枝

立枝|枝から真上に伸びる枝

下り枝|枝から真下に向かう枝

かんぬき枝|同じ位置から左右対称に出ている枝(どちらかを切り取る)

 

雑木の芽摘み

 

芽摘みは、将来の木姿のバランスを整えるために、3月~4月の新芽の時期に行います。

切り返しは、大きくなりすぎた樹冠を整え、幹に合わせた細く柔らかい枝づくりのために、新芽が固くなる時期を目安に行います。

葉刈りは、枝についている余分な葉を、梅雨の頃に取り除きます。

 

松類の剪定

 

葉すぐりは、強い芽を少なくし弱い芽を残すのが基本です。勢いのある芽は4~6葉、弱い芽は6~10葉残してすぐり(取り除くこと)ます。

芽切りは、春に出た芽を切り新しい芽が出るのを促すのが目的です。芽かきは2芽ずつ残してかき取ることをいいます。芽切りは6~7月、芽かきは9月頃に行います。

 

 

盆栽の水やりの基本とは

 

 

「水やり3年」と職人さんが言うように、水やりは奥が深いとされています。樹木や用土の乾き方の様子を見て、どれくらいの水を与えればよいか判断しなければならないからでしょう。

重要なのは観察です。その観察の結果施した水の量が間違っていて、植物の調子が悪くなったら次は調整してみることです。観察と調整、これが人と植物のコミュニケーションになります。

 

水やりのポイント

 

初心者の水やりのポイントは、すぐに上から水をかけるのではなく根元から上に向かい回すようにかけること、盆栽を鉢ごと持ち上げ重さを確認しておくことの2つです。適量と思われる水を与えた後の重さも覚えておきましょう。

この2つを基本に、季節や樹木の状態で微調整していき、夏の暑い時期は霧吹きで葉水しましょう。

 

どぶ漬けとは

 

どぶ漬けとは、土壌の状態の良くない盆栽に、簡単に水を吸収させる方法になります。

容器に水を張り、そこに鉢ごと漬け、気泡が出てこなくなるまで待ちます。空気が抜けたら容器から出します。こうすることで根の芯まで水がしっかり浸みわたります。夏場や植え替え後に行うと効果的です。ただ、そのまま放置するのはいけません。

 

季節ごとの水やり

 

季節ごとの水やりの注意点を説明します。

春は樹木の活動が盛んになり始める時期ですが、空気は乾燥していますから根の状態を観察しながら量を調整していきます。

夏は鉢土の表面だけでなく葉からも水分が蒸散しますから、1日2~3回を目安に水を与えても大丈夫です。

樹木が休眠期に入る冬は、吸水量は激減しますが、乾燥はしていますから水やりは必要です。

鉢土が乾いて白っぽくなったら与えます。2、3日に1回のペースでいいでしょう。冬は3時以降に水をやるのは厳禁です。

 

 

盆栽の植替えの手順と注意点

 

 

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盆栽の植え替えは、用土の準備、樹木に合う鉢を用意することから始まります。

植え替え周期は、樹種や樹齢、鉢の大きさによって変わります。マツ類は2~3年に1度、古木なら3~4年に1度、雑木類は生長が早いので毎年植え替えてもかまいません。

用土は赤玉土と砂や水苔を樹種に応じて準備してください。鉢は植え替え時の都度、違う雰囲気のものを選ぶと盆栽の印象が変わり楽しみも増えるでしょう。

 

植替えの手順

 

以下に、植え替えの大まかな手順をまとめました。

  • 鉢を裏返して針金を切り樹木を枝ごと抜く
  • 古い土を竹箸で落し根を上部・底・横の順にほぐす
  • 余分な根を切り詰めネットや針金、用土をセットしておいた鉢に取り付ける
  • 表土を平らに整え化粧砂で仕上げる
  • 最後に鉢を持ち上げ底穴から茶色く濁った水が出なくなるまで水やりする

 

植え替えの注意点

 

植え替えの一番の注意点は、段取りよく作業をこなし、根を乾かさないようにすることです。

植え替えの適期は、春、新芽が出る直前がベストです。ただ、寒さに弱い樹木は5月中旬ころまで待ちましょう。

用土はしっかり篩にかけたものを準備し、前日の水やりは控えます。土が濡れていると根鉢がうまく崩せなくなります。

以上のポイントに気をつければ、初心者にも割と簡単に植え替えができるはずです。

 

 

盆栽まとめ

 

 

盆栽は、観賞するだけでなく、自分の手で作り上げる過程を楽しむことが最大の魅力です。

ここまで紹介してきた通り、盆栽を始めるのに特別な才能や勉強は必要ありません。必要なのは樹木を注意深く観察することです。最初は失敗があっても、それが経験となり手入れや仕立てをうまくこなしていくベースになります。

あなたの日々の観察と手入れによって、樹木はいきいきと生長し花や実をつけてくれるでしょう。

 

 

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